
SENTIENT プラットフォーム
完全な SCADA と、それを囲む IIoT プラットフォーム
SENTIENT は従来の SCADA に求められることをひと通り行います。そのうえで産業用 IoT プラットフォームとして作られているため、一つの工場の境界を越えて広がります。どの機器も、どの拠点も、一か所で見られます。
SCADA に期待するものはすべて
まず前提として、SENTIENT は完全な SCADA システムです。既存の SCADA を置き換える、あるいは拡張するのであれば、下記は必ず備わっていなければならない部分です。そのすべてが標準で含まれます。
- 現在値とアニメーション表示を備えたミミック図
- リアルタイムと過去データのトレンド表示
- 確認応答を伴うアラーム・イベント管理
- 保存期間を設定できる historian を内蔵
- setpoint の書き込み、インターロック、loop 制御
- 版数履歴付きのレシピ管理
- シフト、バッチ、生産の帳票
- オペレータ、技術者、管理者を分けたロール別のアクセス権限
- オペレータ操作をすべて残す監査証跡
- 冗長化と自動切替
- 主要な PLC 各シリーズ向けのネイティブドライバ
- スクリプトとシーケンス制御
毎シフト必ず触ることになる部分
そのうちの五つは一行では足りません。オペレータと技術者が一日中向き合うのが、この部分だからです。
ダッシュボードと可視化
ライブのタグに紐づいたプロセスのミミック図、トレンド、メータ、表。制御室の盤でも、プラント内で持ち歩くスマートフォンでも、同じように動く画面です。
- 画面をすばやく作れるドラッグ&ドロップのエディタ
- 現在値とアニメーション表示を備えたミミック図
- オペレータ、技術者、管理者それぞれに合わせたロール別の画面
- 卓上、パネル PC、モバイルに対応するレスポンシブなレイアウト

アラームとイベント
どの資産か、どのシフトか、直前に何が起きていたか — その文脈を伴うアラームロジックです。確認応答とエスカレーションはイベントごとに記録されます。
- アラームごとに重要度、確認応答、復帰を管理
- メール、SMS、webhook でのエスカレーション
- 一覧を意味のあるものに保つためのシェルビングと常時発報アラームの制御
- 監査証跡のための完全なイベント履歴

トレンドと historian
プロセスデータに合わせた長期保存です。前年同期との比較が数クリックで行え、帳票の裏にあるデータとトレンドの裏にあるデータが同じものになります。
- タグごとに設定できる保存期間と集約
- カーソルで値を読み取れる複数タグの重ね描き
- CSV への出力、または BI ツールへの直接連携
- 既存 SCADA や CSV アーカイブからの過去データ取り込み

スケジュールと帳票
プラットフォームが自分で実行する定期ジョブです。シフト終了ごとの帳票、決まった時刻の setpoint 変更、ERP への日次エクスポートなど、一日の定型作業が誰かの記憶に頼らなくなります。
- シフト、カレンダー、cron、プラントのイベントによるスケジュール
- 誰もログインしなくても生成・配信される帳票
- setpoint、レシピ、運転モードのスケジュール変更
- 何がいつ動き、何を生成したかがわかる実行履歴

ルールエンジンと自動化
条件、しきい値、シーケンスをプラットフォーム自身で実行します。同じルールはゲートウェイでも使えるため、回線が落ちている間も制御が続きます。
- 版数管理とテストができるビジュアルなルールチェーン
- 接続が切れても制御が生き残るエッジ実行
- スケジュール実行のアクション、レシピ、setpoint 変更
- ERP、CMMS、メッセージングとの連携

SENTIENT プラットフォーム
IIoT プラットフォームだからこそ届くところ
従来の SCADA は一つの工場と、その中のコントローラを前提に設計されており、その役目はよく果たします。SENTIENT はそれをすべて残したうえで、単一拠点に縛られなくなったプラットフォームにできることを加えます。
| ローカル SCADA | SENTIENT | |
|---|---|---|
| 範囲 | 一工場、一つのサーバ室 | 工場は何か所でも、一つの画面にまとめて表示 |
| 機器 | 工場ネットワーク上の PLC | PLC、計器、分析計、センサ、他社製ゲートウェイを、どこにあっても |
| 通信 | 有線、境界の内側のみ | 有線、携帯回線、LoRa、衛星 — 遠隔のポンプ場や変電所も含めて |
| 拡張 | 規模とライセンスを最初に確定 | 必要に応じて機器を追加。プロファイルが設定を自動で適用 |
| アクセス | 現場のオペレータ端末 | ブラウザでもスマートフォンでも、どこでも同じロール権限で |
| データ | 制御室のためのもの | 制御室にも、ERP にも、CMMS にも、BI ツールにも同じように |
全拠点を一か所で
工場、変電所、遠隔の設備を一つの地図の上に。それぞれが自前のローカル制御と自前のオペレータを持ったままです。
PLC を起点に、あらゆる機器へ
電力量計、流量分析計、トラックスケール、ガス検知器、振動センサが、コントローラと並んで扱えます。
工場ネットワークの外まで
携帯回線や LoRa のゲートウェイで、これまで画面のなかったポンプ場、タンクヤード、パイプラインの計測点を取り込みます。
最初から開かれた設計
REST、MQTT、webhook が双方向に使えます。データは制御システムのものではなく、事業のものになります。
SENTIENT Gateway はどの PLC にもつながります
残りのすべてを可能にしているのがこのゲートウェイです。盤の中に収まり、そのラインの機器が話す言葉をそのまま話し、プラットフォームには一つの揃った形で渡します。四十年前のドライブも新しいコントローラも、同じ姿で届きます。
どのコントローラでも
Siemens、Allen-Bradley、Delta、Schneider、三菱、オムロンなど、ネイティブドライバまたは公開プロトコル経由で接続します。
プロトコル変換
一方はシリアル、フィールドバス、Ethernet。もう一方は MQTT と暗号化された通信です。
ストア&フォワード
回線が使えない間はローカルにデータを溜め、復旧後に順番どおり送り直します。
エッジでのルール実行
同じルールチェーンがゲートウェイ上でも動くため、インターロックとシーケンスは単独で動き続けます。
既定で安全に
接続は外向きのみ、認証情報は機器ごと、通信は暗号化。工場ネットワークに着信ポートを開けません。
遠隔での管理
設定とファームウェアはプラットフォームから配信されるため、変更のたびに現場へ行く必要がありません。
すでにお持ちの設備で使えます
機器と資産を、設備群として管理する
ここは工場に閉じた SCADA が本当の答えを持たない部分です。機器が数百台になり複数拠点にまたがると、平坦なタグ一覧ではなく、事業の見方どおりに — 工場、ライン、資産という単位で — 整理する必要が出てきます。
資産の階層
会社、工場、エリア、ライン、機械でまとめるので、計測値には必ずどこから来たかという文脈が付いてきます。
機器プロファイル
機器の種別を一度定義すれば — タグ、アラーム設定値、ルールまで — その種別の機器すべてが引き継ぎます。
一括登録
同一仕様の計器 50 台を一度の操作で登録し、認証情報は自動で発行されます。
ファームウェアと設定
設定とファームウェアを無線経由で配信します。グループ単位で段階的に進められ、どこに何を配ったかの記録が残ります。
認証情報とアクセス
機器ごとの認証情報、顧客ごとのテナント、そして階層に従う権限設定です。
状態をひと目で
全機器の接続状態、最終受信時刻、電池残量や電波強度を一画面で確認できます。
工場を、ポケットの中に
SENTIENT には Android と iOS 向けのネイティブモバイルアプリがあります。自宅でも、拠点間の移動中でも、機械の前を歩きながらでも、工場の様子を見られます。
ライブのダッシュボード
制御室と同じ画面を、押し込めるのではなくスマートフォン向けに組み直したものです。
発生と同時にアラームを
しきい値を超えた瞬間にプッシュ通知が届き、確認応答もその場で返せます。
移動中でもトレンドを
任意のタグの履歴を呼び出して、今見えている状態が新しいものか、数時間前から進んでいたものかを確かめられます。
安全なアクセス
ブラウザと同じロールと権限に、端末単位の認証と遠隔での失効を加えています。
現場で使える
途切れがちな工場の Wi-Fi や携帯回線を前提に作られており、最後に取得した値は端末に残ります。
Android と iOS
スマートフォン、タブレット、デスクを一つのアカウントで。端末ごとの追加ライセンスはありません。

通知は、その人がすでにいる場所へ届きます
アラームは、しかるべき人が見て初めて役に立ちます。SENTIENT はそれぞれの人が読むチャネルへ配信し、誰も確認応答しなければ次の相手へエスカレーションします。
SMS
データ通信のない携帯を持つシフト責任者へ。
グループにも個人にも。アラームの詳細と、該当画面への直接リンク付きです。
Telegram
ライン別・工場別のチャネル。保全チームに向いています。
メール
トレンドを添付して。前後の状況まで知りたい人向けです。
モバイルプッシュ
SENTIENT アプリへ直接。ひとタップで確認応答できます。
webhook ほか
自社のチケット管理、CMMS、ERP へ。HTTP 呼び出しを受け取れるものなら何でも。

そして、その周りのルール
- 重要度ごとにチャネルを分け、警告で夜中の 2 時に人を起こさないようにする
- 勤務表とシフト予定に従い、当番の人へ通知が届く
- 一定時間内に誰も確認応答しなければエスカレーションする
- まとめ送信と流量制限で、一つの不具合が 40 通のメッセージにならないようにする
メニューでは想定できないもののためのスクリプト
ロジックのほとんどはルールエンジンでビジュアルに組みます。計算やシーケンスがルールチェーンで表すべき範囲を超えたときのために、SENTIENT はきちんとしたスクリプトの層を用意しています。
Rhai
プラットフォームに組み込まれた、小さく高速でサンドボックス化された言語です。スクリプトはデータのすぐ近くで、性能の読める形で動きます。入力値ごとに評価される計算にはこれが向きます。型があり、読みやすく、プロセス技術者にも扱いやすい言語です。
JavaScript
必要なときに使える本格的な言語です。複雑な変換、外部サービスとの連携、置き換え対象のシステムから移してきたロジックなどに。手元の開発者なら誰でも扱えます。
実際に作られているもの
- 演算タグ — エネルギー原単位、歩留まり、水分補正後のトン数
- 複数の信号を同時に見る独自のアラーム条件
- 特殊な機器やプロトコルのためのペイロード変換
- テンプレートエディタでは扱えない計算を要する帳票項目
- イベントを機に社内 API へ送信する連携処理
- 複数の機械にまたがるバッチ・シーケンスのロジック
帳票を、正面から
シフト終わりに工場が求められるものの多くは、帳票の中の数字です。SENTIENT はそれをトレンドと同じ historian から作るため、帳票の数字と画面の数字が必ず一致します。
- 01
一度作れば済む
自社のレイアウト、ロゴ、計算項目を使えるテンプレートエディタです。シフト別生産量、歩留まり、エネルギー原単位、要因別の停止時間などを扱えます。
- 02
スケジュールで実行する
シフト別、バッチ別、日次、月次のほか、バッチ完了などのイベントを起点にすることもできます。
- 03
読まれる場所へ届ける
メール、共有ドライブ、FTP、あるいは ERP へ直接。受け取る人が使っている形式で届きます。
- 04
記録を残す
生成された帳票はすべて版数付きで保存され、その元になったデータも後から照会できます。
受け取る人が使っている形式で
工場長は承認用の PDF を、経理はピボットのできるブックを、ERP は取り込みやすい素のファイルを求めます。同じ帳票定義からそのすべてが出力されるので、印刷物から数字を打ち直す人はいなくなります。
- PDF体裁を整え、ページ割りし、承認に回せる形で
- XLSX数式をそのまま保った Excel ブック
- XLSこれを必要とする旧いシステム向けに
- CSVERP、BI、スクリプトへ直接
- ODSLibreOffice 向けの OpenDocument
標準で用意されている帳票
生産
シフト別、ライン別、等級別の生産量。目標に対する速度と歩留まりを併記します。
停止
停止を時間、ライン、要因コードで整理し、影響の大きいものが一目でわかる順に並べます。
エネルギー
生産量あたりの消費量をフィーダ別・機械別に。最大需要電力も追跡します。
アラーム
発生回数、継続時間、繰り返し発報するもの。アラーム整理の検討に使えます。
バッチ
バッチごとの完全な記録です。使用したレシピ、実際のパラメータ、逸脱箇所を示します。
資産
稼働時間、起動回数、点検周期を、機械ごと・拠点ごとに。
帳票の上に載る分析
帳票が揃うと、役に立つ問いは帳票をまたぐものになります。SENTIENT は元データを使える状態のまま保つので、同じ数字をシフト間、ライン間、拠点間で比較するのに書き出しは要りません。
何とでも比べられる
シフト対シフト、ライン対ライン、今月対先月。同じ軸の上で、同じ出所のデータで比較します。
自動で更新される KPI
OEE、可動率、エネルギー原単位、歩留まりを、手作業で集計するのではなく継続的に計算します。
異常検知
自社の運転履歴から学習したパターンを使うため、通知はその工場の挙動を反映したものになります。
タグまで掘り下げる
月次帳票の数字から出発して、その数字を生んだ分単位の時刻とタグまでさかのぼれます。
インダストリー 4.0 の設計原則に沿って
インダストリー 4.0 は通常、四つの設計原則で説明されます。この原則は、ここまでの内容を読み解くのに役立ちます。SENTIENT は、そうした取り組みが載るデータと接続の層 — 他のすべてが可能になる前に、まず整っていなければならない部分 — だからです。
相互接続
機械、機器、センサ、人が互いにつながれること。ゲートウェイは 12 のプロトコルでどの PLC とも通信し、計器、分析計、センサも併せて取り込み、携帯回線や LoRa で遠隔拠点まで届きます。
情報の透明性
生産データを集め、文脈を与えること。資産の階層があるので、計測値には必ず出所の工場、ライン、機械が付いてきます。historian は、比較する価値が出るだけの期間そのデータを保持します。
技術的サポート
人が判断し行動できる形に情報を整えること。ロール別のダッシュボード、誰かが確認応答するまで上がっていくアラーム、受け取る人の使う形式で届く帳票、そして現場にいないときに工場をポケットに入れておけること。
分散した意思決定
日常的な判断を、それが起きる場所で行うこと。ルールチェーンはサーバだけでなくゲートウェイでも動くため、サーバとの回線が落ちている間もインターロック、シーケンス、setpoint の変更は単独で続き、記録も残り続けます。
インダストリー 4.0 の全体像のうち、SENTIENT が受け持つのは接続、データ、分析、システム統合の側面です。ロボティクス、積層造形、拡張現実はその中ではなく隣に位置します。そしてそのいずれも、導入する価値を持つには、下にこうしたデータの層が必要です。
当社の支援内容
プラットフォームは自社のものなので、設定するのは作った本人たちです。そして同じチームが、その相手となる盤の配線も行います。
クラウドとオンプレミスへの構築
自社サーバ上でも、自社の DMZ 内でも、当社によるホスティングでも。工場ネットワークから何も出せない外部遮断環境にも対応します。
PLC・機器の統合
Modbus、OPC UA、MQTT、Profinet、各社独自プロトコルに加え、既存設備から信号を取り出すためのゲートウェイ機器と盤工事まで行います。
ダッシュボードの個別開発
お客様の P&ID とシフト帳票から起こした画面なので、その工場の運転のしかたに合います。
帳票と分析
帳票のテンプレートと KPI の定義を、お客様のチームと一緒に作ります。数字が、すでに社内で使われているものと一致します。
予知保全
振動、温度、負荷のトレンドを、自社の運転履歴に合わせて調整したしきい値と突き合わせます。
サポート・AMC
担当技術者を定めた年間保守、遠隔診断、そして書面で取り決めた応答時間。
拠点に合わせた構成で
同じビルドが、変電所のゲートウェイ一台でも、複数工場を受け持つクラスタでも動きます。規模の調整は設定だけの問題です。
- 01
エッジ
盤の中のゲートウェイが、収集とローカル制御を行います。上位回線が落ちても動き続け、記録も続けます。
- 02
オンプレミス
自社ネットワーク内のサーバなので、データは拠点の外に出ません。多くの工場が、そして監査を受ける工場はすべてこれを選びます。
- 03
クラウド
当社によるホスティング、またはお客様自身のテナントで。複数拠点の集約と、工場外からのアクセスに向きます。
- 04
ハイブリッド
エッジで制御し、クラウドで帳票を出す構成です。拠点が二つ以上になると、たいていこれが適します。
当社が携わる業種
ライセンス
SENTIENT のライセンスはタグ数で決まるため、接続した分だけのお支払いになります。取り込む点数のおおよその数をお知らせいただければ、こちらで規模を見積もります。historian、ルールエンジン、レシピ、帳票、分析はどの段階でも含まれます。